桜の開花

今年も桜の季節がやってきました。

寿命を宣告された人が

あと何回自分は花見を楽しむ事ができるのだろうかと考える、ということを

読んだ事があります。

 

寿命を宣告されていなくとも、わたしくらいの年齢に達すると

「ああ、今年も自分の足で歩いてここまで来ることができた。有り難い。」

と、特定はできないものの、周囲の人すべてに対して感謝の気持ちで

いっぱいになります。

 

桜の花も厳しい冬を通過して、今、こうして花びらを開いて精一杯、

春の空気と青い空を楽しんでいる、と思うと

ささやかながら自然と一体になったような心持ちにさえなります。

 

今年の開花予想は、早かったにもかかわらず、そのあとの急な寒さもあって

昨年よりも実際の開花は遅くなるようです。

自然は、人間の力ではどうすることもできないのです。

腱鞘炎

1月の初めから 左手親指の痛みが出て困っています。

早速整形外科へ行ってきました。

レントゲン、エコーの検査の結果、腱鞘炎、という診断。

思いもかけない病名でしたが、

医師の説明では、意外と家事労働は手を使っているのだとか。

 

塗り薬を処方されましたが、さっぱり効果は見えません。

2週間が経過して、思いあまって再度受診。

今度は、親指と人差し指の間に注射。

「注射は速く効きますか?」と尋ねたら

「人によります」という、当たり前の返事。

注射から1ヶ月経過の現在、効いたのかどうか、はっきりしません。

 

1本の指をかばうことで、ほかの指にもかなりの付加がかかっているのでしょう。

現在は、何とも不自由な手の動きです。

 

指に力を入れる動作は、できるだけ避けるようにして、夫の助けを借りています。

いつまで、こんな生活が続くのでしょう、、、

 

新年を迎えて

また新しい年を迎える事ができました。

 

いつものように、夫と2人、納豆を絡めたもちと

ささやかな、小さなお重に詰めたかまぼこ、その他を食べました。

穏やかな時間に感謝。

太陽も見えたので近くの神社へ初詣。

人々はそれぞれ、目をつむり、両手を合わせて

何をお祈りしているのでしょうか。

 

決まった宗教とは無縁の私と夫ですが

幼い頃からの習慣だからなのか、初詣を終えると課題をこなし終えた後のような

すっきりとした心持ちになるのが不思議です。

 

でも、その後、北陸地方の強い地震のニュースに

すっかり心が乱れてしまいました。

これまで、大きな地震を3回経験している私です。

 

被害状況のニュースに、ただただ心が痛みます。

 

Indian summer

Indian summer  小春日和。

秋から初冬にかけて、まるで春を感じさせるような

ポカポカ陽気をこのように呼ぶのだそう。 

春という漢字が入っているけれども、春の気候を表すのではなく

これは、冬の季語。

 

今日は、12月だというのに、まるでひと月逆戻りしたような陽気でした。

ウオーキングに出かける際には、何を着て外出したらよいのか迷ってしまうほど。

いつものペースで40分ほど歩いたら、すっかり汗をかいてしまいました。

 

12月7日に、天気予報の人が

今日は大雪(たいせつ)です、と説明していたというのに。

 

Indian summer という言葉に出会ったのは、

半世紀以上も前の、学生時代。

英文科に在籍していた私は、サマセット・モームの短編を

隙間時間を見つけては楽しんでいました。

短編のどこかにこの言葉を見つけ、

それ以来私の知識の一部になっています。

 

でも、Indian summer の意味にはもうひとつあるのです。

 

「人生の晩年などの落ち着いた幸福な一時期」だとか。

Indian summer という言葉がさらに好きになりました。

雪虫?

今年の夏は、相当に暑かった。

お彼岸を過ぎても、夏物の服を着る日々。

 

でも、確実に、冬はやって来るのですね。

今年はただ、秋と呼べる空気の日が少なかっただけのようで

ウオーキングで目にする街路樹は、いつの間にやら葉を落とし、

来年に向けてエネルギーを蓄え始めたようです。

とうとうメタセコイアまで秋色に変わり、

根元には、細かな茶色い葉が落ちて歩道の色を変えています。

 

うつろう自然の変化をはっきりと感じられる秋は、

もの悲しいけれど、私は好きです。

 

歩いている私の顔に向かって飛んできた小さな綿毛のようなもの。

振り払ったけれども、続けていくつか私の目の前に飛んで来ます。

雪虫

まもなく、雪が降るかも知れないですね。

 

退職後の時間の過ごし方

夫も私も後期高齢者

2人とも白髪で夫はさらに中心部の皮膚が透けて見え始めています。

若い頃と違って時間は十分にありそうですが

2人とも、ともかく忙しい。

忙しいように見えるし、実際、あっという間に1日が過ぎ去ります。

 

特に夫は、現役時代もかなりのハードワーカーだったと思いますが

退職した今も何かと曜日が予定で埋まっているようです。

ボランティアに町内活動にと、元気に出て行きます。

 

新たな人間関係の中で、仕事とは異なる面倒もあるでしょうし

60代以降手術を2回経験している夫が

70代後半の時間を上手く有意義にこなしているように見える事で

私は改めて夫を見直しています。

 

1日24時間だけは、全ての人に平等に与えられたもの、

泣いて過ごしても、笑って過ごしても、誰かのために使っても

自分のために使っても、と聞いた事があります。

忙しいけれども、夫と私それぞれが、こうした時間をこころ穏やかにもうしばらく過ごしていけますように、と祈るばかりです。

 

 

 

きんもくせいの香り

昨今は、激しい暑さを抜け出たようですが、

一気に朝晩の冷え込みを感じるようになりました。

巷で言われているように

夏が長く、秋が短く、あっという間にこのまま寒さに向かうのでしょうか。

 

関節、特に股関節、仙腸関節の辺りの痛みがひどく

姿勢をまっすぐに立てることが難しいので、

時間的に可能な日は、ステッキを持って散歩、ウオーキングに出かけるようにしています。

歩くということは、こんなに難しいことだったのか、と思えるほど、

最初のステップはぎこちないのですが、

それでも、時間を追うごとにスムーズに足が出るようになります。

固くなっている関節が動き出すのがわかります。

 

どこからともなく漂って来る良い香りに気がつきました。金木犀のかおりです。

胸がスーッとするような、心地の良い甘い香り。

こころなしか、足の運びも軽くなってくるような気さえしてきました。

 

人工的な香りに悩まされている人も多いと聞きます。

でも、どこかの庭から漂ってくる金木犀の香りは、私のステップを軽やかにしてくれました。